新たな水平線を探しに

正月と誕生日とにしか更新しないブログ_(:3」∠)_

◆文明崩壊後のサバイバル・ゲーム攻略法

 今回読んだ本は…

『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』

(著:ルイス・ダートネル、訳:東郷えりか)

です!

 

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた

 

 ジャケ買いでしたね。これほどまでに僕の興味をそそるタイトルがあっただろうか。

 で、さっくりと内容を言えば、「科学文明再興のためのマニュアル」です。

 とはいえ、スマートフォンはこういう原理のもとで動いており、こんな部品をこうして作り、こう組み立てるんだ、ということを直接書いているわけではありません。

 穀物の栽培などの農業生産から始まり、食料の保存方法、糸の紡ぎかた、服の作りかた、製鉄技術や発電方法など…

 この高度に発達した科学文明が崩壊を迎えたあと、人々はどう生き抜いていかなければならないのか。どういった知識を駆使すれば、人類が再び科学文明を手にできるのか、ということが書かれています。

 

 この書の原題は、『THE KNOWLEDGE』*1。安直に訳せば「知識」です。そう、知識なのです(大事なことは繰り返すもの)。

 その名の通り、大量の「知識」が書のなかに詰め込まれている。 いやもう、一回読んだだけでは到底覚えられません。情報で溢れています。しかし、氾濫はしておらず、一連の流れに則って記述されているため、最初から読んでいけば文明再興までに辿る道筋が見えてくると思います。

 でも、この本はそのためだけでなく、

これは文明再起動のための青写真だ。

しかし、これはまた僕ら自身の文明の基礎に関する入門書でもある。(序章より引用)

 とあるように、現代の科学技術の基礎・基盤を知る上でも非常に重要な位置づけとなっている本でもあります。僕らは今、そこにあるのが当たり前のように文明の恩恵を受けていますが、それらが「どのような原理や構造で成り立っているのか」を知るということはとても有意義なことだと考えます。

 

 本の紹介はここまでとして。本書の内容と照らし合わせながら、僕が思ったことをつらつらと書いていきましょうかね。

 まず、この世界の終焉の迎え方についての記述があって、どういう状況に陥るかの思考実験がなされています。はっきり言いましょう。こういうの好きです。

 いや、細菌兵器が各地にばら撒かれて人類は滅亡の危機に…とか、小惑星が衝突して世界は灰に覆われてしまい氷河期に…なんて現実に起こるのは嫌ですけど、そのあとどうなるのか、なんて考えるのは楽しいことじゃないですか。

 そして次に、農業や食料、衣料について書かれています。

 人間、大地の恵みをエネルギーにして生活していますからね。メシがなければ戦はできないでしょう。

 さらに、物質や材料について。

 モノがなければ耕せないし、肥料がなければ作物はただ枯れるのみです。こちらも重要でしょう…。

 さらにさらに、医薬品や製鉄、機械の作製…。

 と、読み進めていくうちに、あることに気付く。

文明再興までの生活は、Minecraftにそっくりじゃないか!」と。

 文明が崩壊して石炭が採れなくなっても、身近にある木を使えば、木炭にして利用できるし、木は様々な道具に加工できます。

 これはMinecraftも同じ。木を採って、道具を作って、耕して、作物をつくって食べる。はたまた、木を焼いて木炭にして、明かりや燃料を得る。さらに、鉄を手に入れ、道具や動力機械を作る。

 すごい。

 ゲームなのに、文明再興(初期)とほぼ同じプロセスを踏んでいる。いやあ、関心だ。

 文明崩壊後のサバイバル・ゲームの予習として、マイクラはいかがでしょうか?

 

 とまあ、重厚な、濃厚な読書となりました(記事は薄くて淡泊だけど)。かなりキますね。

 本を主食としている人なら、胃もたれが起こるくらいかと…。

 あとはこの本が、文鎮として機能を果たしてくれるでしょう!*2 

 うーん、まあ、長い期間、宇宙を航行するときにオススメの一冊となるでしょうかね。

 

 まとめると、

 知識だけでは何もできない。

 それをどう活かし、どう行動するかがとても重要なのだ。 

 そういうことが伝わってくる一冊でした。

 

 

 

 

 

*1:副題は、「How to Rebuild Our World from Search(この世界をどう一から再建するか)」。

*2:文明が崩壊して、この書を再び開くような事態に陥る日がこなければいいな…という意味合いを込めて